エヴァンジェリン・ワーズワース

「余をなんだと思っておる。魔王ぞ? どのような場に於いても、余が動じる事などありはせぬ」

  • “血潰の魔女(ブラッディ・マリス)” エヴァンジェリン・ワーズワース

基本情報

シンドローム:バロール×ブラム=ストーカー ブリード:クロス
年齢:16歳
ワークス/カヴァー:FHセルリーダーC/大魔王の係累(自称)

■ライフパス
・出自:安定した家庭
・経験:逃走(主に現実からの)
・欲望:超越
・覚醒:忘却
・衝動:解放

外見

地面までも届きそうな金のストレートロングヘア。
大袈裟なヘッドドレスやコサージュで飾り付けられ、一房のみ、まるで呪いの刻印かの如く漆黒に染まっている。
常に黒・赤基調の大仰なゴシックファッションに身を包んだ、小柄な少女。
左の眼には常に眼帯をしており、その奥には「邪眼」が隠されていると云う。
常に髪や服を《吸着》で靡かせ、《魔王の玉座》で浮遊移動し、どんな近距離からでも《ディメンジョンゲート》を介して現れる。
人間界の言葉で言うならば、「重度の厨二病(矯正不可能)」である。

背景

LH市に新たに新設されたFHセル「Danse Macabre~深淵なりし告死の暗黒舞踏~」のセルリーダー。
FHへと籍を置いたのはここ一年以内と最近のことではあるが、
それなりの戦闘力とそれなりの状況判断力は、一般的なFHエージェントと比べれば多少抜きん出た存在として彼女を印象付けたのか、
この度、”グールネスト”からの要請を受け、新たなセルを結成する際のセルリーダーとして抜擢される。

始祖にして遥か高みより魔界を見守る至高存在、”俯瞰の魔女”オクタヴィア・ワーズワースの係累。
エヴァンジェリンは、今世で唯一「選ばれし存在」として始祖の一族に連なる事を許され、”魔王”を名乗るに至ったと云う。
FHという組織に所属しているのは、彼らが賢明にも少女の崇高な理念を幾許か理解したため。
この組織に身を置いておけば、多くの戦いを経験する事となる。
それはひいては、自らを高め、至高の魔女へと届かんための道に重要な役割を果たすかも知れないと、彼女は思っているようだ。

能力

重力と血液を操る術に長けた、攻撃型のオーヴァード。
基本的には単体への重力操作による干渉が主であり、血液を操る術は現在のところ、高い自己治癒能力として発現している程度。
ノイマンシンドロームを発症してはいないが、一般的な人間に照らし合わせればそれなりに頭はよく回り、また博識でもある。

性格

大仰な語り口と大袈裟な表現を多用する、やや難解な少女。
空気とは我が作るものだ、と言わんばかりのマイペース。
内実は頭脳明晰な優等生。冷静沈着、頭の回転も恐ろしく早い。
が、語り口は常に「魔王」状態であるため、色々と内で思索を巡らせているにも関わらず、あからさまに空気読んでないといった評価を受ける事が多々。

敵に対しては冷徹であり、必要とあらば相手が何であろうと容赦なく命を摘み取る。
職務にも忠実で、仕事上の判断には決して私情も温情も挟まない。
……が、つい先日までは普通の高校生であったため、余りにも非道な行いには表に出さないまでも不快感や嫌悪感を抱く事も少なくはない。
しかし、「魔王たるもの非情であらねばならぬ」と己を律し、戦場では眉一つ動かさずいつもの態度を崩す事はない。

リレーションシップ(LH市内部)

>>鵠泉・凜 ○感服/脅威
 高い戦闘能力には目を見張る/その分、それが脅威にも感じるが

>>角慧・玲音 ○信頼/隔意
 様々な意味で、確かに役立つ人材だ/精霊の云う事はやはり違うな……

>>音無・絶 ○好奇心/脅威
 恐らく、彼の者の実力はこの程度ではないだろう/ともすれば暴走しかねぬように見えるが、な

>>高嶺・霧人 信頼/○脅威
 外見年齢以上に老成した何かを感じる/……何故か、背筋が寒くなるのだが

>>切原・のぞみ 有為/○不信感
 能力は恐らく高いのだろう/下級魔族風情が……喰えん女だ

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隠蔽された過去

本名、鈴木・花(すずき はな)。
成績はオールパーフェクト、試験は常に学年一位、模試は全国でも上位クラス。
大人しく親や目上の人間の言う事は良く聴き、どんなこともそつなくこなす優等生だった。

サラリーマンで中間管理職の父と、専業主婦の母。年の離れた姉。
当たり障りなく、何不自由ない平凡な生活。
けれど少女はずっと、それに不満を感じていた。

並べて比べても大差のない凡人の群れに、自らの身を置いている事に違和感があった。
ここじゃない、ここは自分の居場所じゃない。
こんな、誰にも顧みられない場所が、こんな思い通りにならない場所が、自分の居場所であるはずがない。
少女は、自らの暮らす一般的な、何一つ波風の立たない平凡な生活をひどく厭っていた。
大衆に迎合しなければ爪弾きにされる、そんな世界の在り方を厭っていた。
自分の名前が平々凡々な「花」であることも、平凡さを強調しているようで気に入らなかった。
もしかしたらそれは、後付けかも知れないけれど。

そんなある日、少女は学校からの帰り道で何者かに出会う。

──それが誰であったかは憶えていない。
けれどその日から、少女の中には”望みをかなえる力”が、息衝いていた。
自らの望んだ世界を。自らの望んだ自分の姿を。そして、自らの望んだ──
それを手にするために、少女は大仰な迄に自らを武装し、”大魔王の係累”を名乗り始めた。